読書メモ:リーダーの仮面――「いちプレーヤー」から「マネジャー」に頭を切り替える思考法
医療スタートアップでチームのマネジメントをしていることもあり、プレイヤーからマネジャーに頭を切り替える思考法というのがタイムリーすぎたので読んでみました。
250ページほどあり見た目は結構分厚いのですが、行間広めで読みやすく数時間で一気に読み切りました。
リーダーの仮面――「いちプレーヤー」から「マネジャー」に頭を切り替える思考法
リーダーの言動の重要性
プレイヤーとしてのピークは30代で年を取るごとにプレイヤー能力は低下していく。
リーダー・マネジメントスキルがないと代替可能な存在となってしまう。
よって、リーダーの言動スキルは今後重要になってくる。
良いリーダーやマネジャーのイメージとして、「リーダーの素質」や「人間性」が必要と想像してしまうが、本書ではそれらは不要と言い切っている。
リーダーに必要な考えを身に着けて頭を切り替えるための方法を教えてくれる本だ。
頭を切り替えるために
- リーダーのゴールは「チームの成果を最大化する」こと
- 感情を横に置く
- モチベーションを上げようとするのではなく、成果を出せる組織を作る
感情は上がったり下がったりするもので不安定であり、マネジメントの邪魔をするもの。
モチベーションを上げようと直接介入するよりも、成果を出せる組織を作ることで自然と良い雰囲気になりモチベーションが上がる。
頭を切り替えるための質問
プレイヤーから頭を切り替えるための質問
- いい人になろうとしていないか
- 待つことを我慢できるか
- 部下と競争していないか
- マネジメントを優先しているか
- 辞めないかを気にしていないか
リーダーがフォーカスすべき5つのポイント
以下5つのポイントに絞ってマネジメントを行うことを、本書では仮面をかぶると比喩しています。
- ルール
- 位置
- 利益
- 結果
- 成長
これはいわば成果を出すために立ち返るリーダーの軸であり、
常にこのポイントに立ち返って考えることを推奨している。
ルール
全員が守れるルールを言語化して、守らせること
自由度が高すぎてもストレスになる。適切なルールを設定することが重要。
ルールには2種類ある
- 行動ルール
- チームの目標に連動したルール
- 姿勢ルール
- だれでもできるもの(あいさつをしましょう 5分前行動)
ルールを設定する際の注意点として、「誰がいつまでに何をやるか」を明確にすることが重要。より具体的にルールを決めておくこと。
位置
組織内で自分がどの位置にいるのかを把握し、適切なコミュニケーションをとること
言い換えると「視座を上げる」という言葉がしっくりくる。
組織内での自分の位置を把握し、意思決定の範囲を考える。例えば、部下から言われたことをそのまま上司に伝えたりする伝言ゲームをしているような人は自分の意思決定の範囲がわかっていない。
プレイヤーの視点ではなく、少し高い位置にいることを意識することで頭を切り替える。
■位置関係を意識した指示の出し方
- 言い切り
- 締め切りの提示
- 報告するように指示
例:「〇〇してください。17時までに報告してください」
指示は上から下、報告は下から上
■報連相で相談に乗ってよいこと
- 部下の権限では決められないこと
- 部下が自分で決めていい範囲なのか迷ったとき
必要以上に相談に乗ると、部下の責任範囲を狭くして言い訳できる環境を作ってしまう。
利益
集団の利益から個人の利益が生まれる。
会社に使われる人がうまく成長できる。
集団として利益を上げることで、個人は利益を得ることができる。
結果
プロセスではなく結果をみる。
未来への視点を持つ。
結果を管理すること。目標設定をして仕事を任せ、結果を報告してもらい評価する。
■点と点の目標設定
- 目標設定 → 数値化、言い切る、締め切り
- プロセス → 口出ししない
- 結果 → 事実だけの報告をさせる
- 未達の場合
- できてなかったことを指摘
- 具体的な行動を考えさせる
- 「次はどうしますか?」
- 1つ前のプロセスを目標に加える(成約数が未達成の場合、訪問数を目標に追加)
- 達成の場合
- 結果だけを受け取る
- 未達の場合
- 次の目標を具体帝に言語化
成長
経験とともにしか人は成長できない
まずは部下に経験させることが大事。
まとめ
本書のように自分なりの「軸」を持つことでブレないマネジメントができそうなので試してみたいと思った。
内容を機械的にマネするだけでは使い物にならないので、自らのパーソナリティや状況によって段階的にエッセンスを取り入れていくのがよさそう。